2016年02月20日

人生処方箋(01)島津ゆたか ホテル

 今から30年以上前の曲だが、古さを感じさせないのは、メロディーもさることながら、あっと驚く歌詞にあるのだろう。

 よその亭主を愛してしまった女性の、いってみれば盛大なグチを綴ったものだが、単なるグチに聞こえないのは、人生の機微に触れる内容だからだ。

 とにかく、手紙書いちゃダメ、電話もダメ、逢うのはホテルだけ。電話帳の私は男名、自宅盗み見したら幸せ家族・・・という感じなのだが、これって浮気の大原則ではないのか。

 彼の実家に行っちゃダメだし、ホイホイ京都に出向くのもダメ。ましてLINE使って本名で呼び合うなんてもってのほか。自宅盗み見など、グーグルマップで十分なのだ。

▲島津ゆたか『ホテル』。作詞/なかにし礼、作曲浜圭介。昭和60年2月5日発売。エレキシタールの音色が艶めかしい。

▲立花淳一『ホテル』。昭和59年2月21日発売。最初に発売されたシングル。『ホテルは』競作だったのだ。80万枚を超えるセールスを記録。

▲テレサ・テン『ホテル』。唯一の女性バージョン。歌唱力抜群だからいいけれど、不思議なことに男が歌ったほうが切実感あり。
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2016年02月22日

人生処方箋(02)水木炎(ほのお) アモーレ港

 男女の別れに際して、サバサバ系とネットリ系に分かれる。たいていの場合、別れを宣告した側はサバサバ、宣告されたほうはネットリと相場は決まっているが、中にはその逆の場合もあるから人生面白い。

 水木炎『アモーレ港』の主人公は、サバサバ系ふられ女の典型例。日本語に直せば「愛の港」あるいは「恋人港」なのだろうが、要するに「愛の巣」。そこから出ていく男に対し、多少のやっかみを込めながら「アモレ、アンモレミ〜ヨ、アンモレ港〜♪」と歌いきってしまう。

 ただし、ココロが冷たいのではない。何度も船出された経験があり、それなりの耐性が出来上がっているから「アンモレ港〜♪」なのだ。

 ホレたハレたの度合にかかわらず、別れが決定的になったとたん、惨めなココロ持ちになるのはしかたがないが、ネットリだけではキリがない。失恋したら、とりあえず水木炎を聴いて元気になろう。他人事のように歌うバックコーラスも励ましてくれる。

▲水木炎『アモーレ港』。作詞/山口洋子、作曲/藤本卓也。昭和48年5月発売。口琴と木魚の響きがオシャレ。コーラス担当はシンガーズ・スリーだ。

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2016年02月24日

人生処方箋(03)大門弓子 どうだっていいわ

 恋の破局は突然やってくる。理屈ではない。

 たいていの場合、相手に感じていた違和感を、愛という名のオブラートにくるみ込み、無理やり腹にためていたのが原因。

 たまりにたまった違和感は、ある日、ほんのささいなキッカケで、堰を切ったようにあふれ出てしまうのである。

 たとえば、食事のときに軽くお箸をなめるクセがある相手に、恋愛初期のころは「子供っぽくって、可愛ゆ〜い」などと言っておきながら、堰が切れると「下品ったらありゃしない」となる。

 そうなると「なんだっていいわ♪」だし、「どうだっていいの♪」なのだ。さらに「やだやだやだ やだやだやだやだ や〜だ!」で、最後は「あはっはっはっはっはっ〜♪」。

 簡単明瞭な話だ。

▲大門弓子『どうだっていいわ』。作詞/幸田栄、作曲/越純平。昭和43年6月10日発売。昭和27年3月山形生まれの大門が16歳のときの歌声。昭和41年度全国ミノルフォン全国歌謡コンクール入賞。遠藤実氏に師事。

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2016年02月26日

人生処方箋(04)美樹克彦 回転禁止の青春さ

 今どきの女性なら「なにイキがっちゃってんの」と失笑してしまうに違いない青春歌謡だが、美樹克彦の張りのある瑞々しい歌声で「ゴーゴーゴー レッツ ゴーゴ〜♪」とやられると、素直に「真っ直ぐ生きるってスバラシイ」と思ってしまうから不思議。昭和の人だけかもしれないけど。

 もちろん、人生、どのような道を歩もうと最初から順風満帆を約束されてはいないのだから、自分の決めた道を進めばいい。なのに、あえて退路断ち宣言するのって、自信のなさの裏返しか。

 最近の青少年は賢明だから、総身ユニクロなのに「人のマネはしたくない」とイキがる同輩を良くは思わない。要するに、世の中、何をしようが手アカのついたモノばかりだから、個性を発揮するにはノリや勢いだけではうまくいかないのだ。

「ひとり唄って ひとりでほめて」状態になってしまったのは、回転禁止だからだと思う。

▲美樹克彦『回転禁止の青春さ』。作詩/星野哲郎、作曲/北原じゅん。昭和41年1月発売。水前寺清子『いっぽんどっこの唄』(同41年11月発売)の作詞も星野哲郎。

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2016年02月28日

人生処方箋(05)風(伊勢正三) ほおづえをつく女

 男に捨てられ、幸せだった頃を思い出しながら半年も泣き続ける女がイヤな女とは思えない。結構、真面目で優しい女なのではないか。男との暮らしに甘え過ぎた自己チュー女らしいが、そんな程度のこと、許してやれよと思う。

 捨てられた理由がわからないことを非難するのはお門違い。恋愛なんてそんなもの。別れに明確な理由などないし、去り際に相手が振り向くこともない。要するに、男の身勝手わがままなんだな。そんな男と別れて良かったと思う。

 別れたあと、再び男と付き合うことになるのだが、またもや相手は去っていく。ということは、ほおづえをつく女が好きになるのは、基本的に同じ種類の男だと思われる。貢がれ男と貢ぎ女のように。

 ほんの少し光る星は美しいと思うが、漆黒の夜空に煌々と輝く星はさらに美しい。気遣いで輝きを抑えるのは愚の骨頂だと思う。

▲風(伊勢正三)『ほおづえをつく女』。作詞・作曲/伊勢正三。昭和51年12月5日発売。アルバム『WINDLESS BLUE』に収められた曲だが、ちょっとだけ序奏が異なるシングルも発売。オリコン最高位は40位だった。

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