2015年08月28日

ハミ出しGS大全(01)ザ・レンジャーズ 赤く赤くハートが 昭和42年

 ザ・レンジャーズのヴォーカル「宮城ひろし」は、生まれるのが早すぎたかもしれない。

 スラリとした身の丈に、ミリタリー風の制服を着こなして、エレキ抱えてマイクに向かい、甘いマスクで「キミだけを〜♪」などと叫び、女子のココロをわしづかみにしたグループがいたのに、宮城の歌い方は、その対極にあったのだ。

 ちょっとばかりおセンチで、メルヘンチックなのがGSの身上。それを外すのは、相当なリスクをともなったはずだから、おそらくレコード会社も「もうちょっとフツーにでけんやろか」と意見したと思われるが、宮城の答えは「でけまへん」だったのだろう。

 結果、デビュー盤『星空の恋人』のセールスはレコード会社の期待を裏切ることになり、第二弾の『赤く赤くハートが』がヒットといえばヒット。今どきなら注目されるかもしれないが、残念ながら当時の女子たちには宮城の良さが理解できなかったのである。

▲2枚目のシングル『赤く赤くハートが』(作詞/山口あかり、作曲/新井靖夫)。これぞ、魂の叫びだ

▲野々村竜太郎(元兵庫県議)の釈明会見を聞くと、『赤く赤くハートが』が頭をよぎる。
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2015年08月30日

ハミ出しGS大全(02)ザ・ラヴ イカルスの星 昭和44年

 昭和44年1月の日劇ウェスタン・カーニバルに初出場を果たしたザ・ラブは、同年3月10日にデビュー盤『イカルスの星』をリリース。

 ただし、GSブームに翳りが出はじめたころだったから、「歌謡風GS」あるいは「GS風歌謡」を意識したと思われるが、それほど売れなかった。

 残念なことに、リリースされたシングルはこれ1枚。同年秋、ザ・ラブは解散してしまった。

 今どきの中高年が、なんとなくメロを覚えているのは、同時期に越路吹雪が歌っていたからかもしれない。作曲の内藤法美は越路のダンナ。競作ナンバーだったのだ。

▲ザ・ラブ『イカルスの星』。サビのハモリが美しい。活躍期間が短かったことが悔やまれる

▲越路吹雪『イカルスの星』。

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2015年09月02日

ハミ出しGS大全(03)ザ・ライオンズ すてきなエルザ 昭和43年

 タイガーよりも強く、ジャガーよりも強い・・・てなわけでライオンだったのだが、デビュー盤『すてきなエルザ』はオリコン90位、3000枚ほどしか売れなかった。

 これぞGSというイントロに続き「スキなんだ〜♪」「スキッ!」・・・批評家に言わせれば<音を外したヴォーカル>に<突拍子もない合いの手>なんだそうだ。でも、それほどヘンには感じない。GSだもの。

 清原カツミ(vo)の歌、および合いの手は、扇風機でお馴染みの「1/f ゆらぎ」のようなもので、少々の違和感が加わったおかげで、一度聴いたら忘れられない楽曲に仕上がっているのではないか。音程正確+合いの手ベストタイミング=優れた楽曲になるとは限らないと思う。

 前身はザ・ライダース。元々、大阪で活躍していた実力派のグループだが、昭和42年秋にスカウトされ、上京後、ザ・ライオンズに改称。前年、同じように京都のザ・ファニーズがスカウトされ、上京してザ・タイガースになったのと同じコース。京阪神で若芽を刈られ、東京で開花というわけ。

 でも、『すてきなエルザ』は『僕のマリー』にはなれなかった。ライオンはタイガーに負けたのである。

▲ザ・ライオンズ『すてきなエルザ』。作詞/藤間実、作曲/中島安敏。

▲撮影地は赤坂プリンス旧館(旧李王家東京邸)前。現在は「赤坂プリンスクラシックハウス」として営業。東京都の指定有形文化財でもある。
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2015年09月04日

ハミ出しGS大全(04)ザ・ジェノバ サハリンの灯は消えず 昭和43年

 プーチンが聴いたら、クマにまたがって殴り込んできそうなのが『サハリンの灯は消えず』。ザ・ジェノバのデビュー盤(昭和43年)だ。当時、オリコン37位6万5000枚のセールスだった。

 聴けば分かるが、山本吉明(vo)の渋さが際立つ。歌謡GSなのだが、前年の日本レコード大賞受賞曲「森トンカツ〜、泉ニンジン〜♪」とくらべてもまったく遜色がなく、どっちかといえば、こっちのほうがいい。

 作曲は、旧日本領樺太生まれの北原じゅん。北海道室蘭市に引き揚げの経歴をもつ。歌手の城卓也は弟、作詞家の川内康範は叔父にあたる。『サハリン・・・』以降、『いとしのドーチカ』『さよならサハリン』と続き、サハリン三部作と呼ばれているらしい。

 最後(4枚目)にリリースされたのは、チコとビーグルスとの競作『帰り道は遠かった』。土臭いイントロにニヤリとしてしまうが、これぞ歌謡GSの真骨頂。山本の歌が素晴らしい。

 残念なのは、思ったほど歌謡GSは人気にならず、メルヘンGSの一人勝ちになってしまったことだ。

▲『サハリンの灯は消えず』(作詞/若木香、作曲/北原じゅん)。

▲ザ・ジェノバの『帰り道は遠かった』(作詞/藤本義一、作曲/奥村英夫)。チコとビーグルスのほうが売れた。

▲1960年代の東京。バックグラウンドに流れているのは『スタコイ東京』(作詞作曲/北原じゅん)。

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2015年09月06日

ハミ出しGS大全(05)ザ・クーガーズ テクテク天国 昭和42年

 演奏バツグン、ルックスOKだけでは競合GSに勝つことは出来ない。となると、強烈なインパクトが必要。というわけで、メンバー全員、キュロットスカートをはいてしまったのがザ・クーガーズ。

 効果はあったのか・・・あったんだな、これが。とくに地方公演では大絶賛。フツーの格好で登場すると抗議の嵐だったらしい。ただそれだけだけど。

 デビュー盤は『テクテク天国』(昭和42年)。ファズ多用のイントロは当時の流行り。これでGSだと分かる。続く本メロは、いきなり「あっち向いてホイッ!」風で始まり、怒とうのような「テクテクテクテク♪」が繰り返される。

 初めて聴くと、思い切り後頭部を叩かれたような衝撃を受けるが、想い入れたっぷりのメルヘンGSとくらべ、好感がもてるのである。

▲デビュー盤『テクテク天国』。赤いキュロットスカートがお洒落。

▲B面『アフロデティ』。こっちをA面にしたら良かったと思う。

▲3枚目の『好きなんだ』。演奏はGSなんだが、歌い方は青春歌謡風。
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