2016年08月02日

聴かずに死ねるか(22)Sophie Milman - Beautiful Love

『Beautiful Love(ビューティフル・ラブ)』(1931年、作曲/ Victor Young)はHelen Merrill(ヘレン・メリル)に限ると思っていたのだが、Sophie Milman(ソフィー・ミルマン)を聴いたとたん、順序が入れ替わってしまった。

 Helenの「ニューヨークのため息」に「絶妙なスウィング感」が加わったのがSophie。素朴というか純朴というか、懐かしい香りがするオールド・ジャズが、Sophieを通すと超モダンな楽曲に変わってしまうのだ。

 1983年(昭和58年)、ロシアで生まれたSophieは7歳のときにイスラエルに移住。このころ、ジャズに親しみ始めたらしい。その後、15歳でカナダに移住し、トロント大学を卒業。今後が楽しみな女性ジャズ・ボーカリストだ。

▲Sophie Milman『Beautiful Love』。アルバム『Take Love Easy』 (2009年)に収録。

▲Helen Merrill『Beautiful love』。アルバム『Helen Merrill with Strings』(1955年)に収録。Helenは日本に住んでいたこともあり、かなりの日本通。当時の名前は青江三奈・・・というのはウソ。

▲Anita O'Day(アニタ・オデイ)『Beautiful Love』 。アルバム『Four Classic Albums』(1955年)に収録。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 聴かずに死ねるか

2016年08月04日

聴かずに死ねるか(23)Tony Scott - Tenderly

 Tony Scott(トニー・スコット)のクラリネットは変幻自在。ときには甘く切なく、ときにはチャルメラ風の攻撃的サウンド。ヤマハのクラリネット教室だったら、基礎からやり直せと言われかねないけど。

 一時はBuddy Defranc(バディ・デフランコ)とトップの座を競うほどの華々しさだったのだが、やがてクラリネットそのものの人気に陰りが見えはじめると、本拠地ニューヨークを離れ、海外に活路を求めた。

 1959〜65年(昭和34〜40年)、日本に滞在。演奏活動を行なうほか、アルバム『Music for Zen Meditation(禅瞑想のための音楽)』(1964年)を発表。

 そののちイタリアに住み、2007年(平成19年)にローマの自宅で死去。享年85歳だった。

▲Tony Scott & Bill Evans(ビル・エバンス)『Tenderly』。アルバム『Tony Scott & Bill Evans / A Day In New York』(1957年)に収録。甘く切ないサウンドだが、まるで金管楽器のような雰囲気。

▲Buddy DeFranco(The Buddy De Franco Quartet)『Tenderly』。アルバム『Jazz Tones』(1956年)に収録。見事、ふくよかなクラリネットの音色。

▲Tony Scott with a Czech rhythm section『Autumn Leaves』(1968年)。チェコのプラハでのライヴ映像。まるでチャルメラのようなサウンドなのだが、心地よし。

▲Albert Ayler(アルバート・アイラー)『On Green Dolphin Street』。アルバム『MY NAME IS ALBERT AYLER』(1963年)に収録。これを聴くと、Tony Scottを思い出す。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 聴かずに死ねるか

2016年08月06日

聴かずに死ねるか(24)Elie Semoun - Mademoiselle A

 Elie Semoun(エリ・スムン)はフランスの役者・コメディアン。どのくらい面白いのかというと、残念ながら、はっきりしたことは分からない。

 そんな彼が、ボサノバのリズムにのって甘くささやくのが『Mademoiselle A』。心地よさ満点なのだが、フランス人の中には「がらくた」と評価する人もいて面白い。コメディアンごときが気取ってるんじゃね〜ょ、ということか。

 フランス語圏ではない外国人の評価が高いのは、コメディアンが歌っているという認識がないからだと思う。ビートたけしの映画が欧米人にウケるのと同じ・・・などと言ったら怒られるかも。

 1963年生まれの52歳。アルバム『Chanson』を録音したときは39歳だったが、4年後に『Sur le Fil』をリリースして以降、新たなアルバムはない。

▲Elie Semoun『Mademoiselle A』。アルバム『Chansons』(2003年)に収録。中森明菜の曲を思わせるタイトルだが、こちらは軽妙洒脱。

▲Elie Semoun『Chanson Ideale』。『Chansons』(2003年)に収録。フランス語のささやくような歌い方がココロに響く。

▲Elie Semoun『Emma』。『Chansons』(2003年)に収録。ボサノバタッチの軽快なサウンド。歌だけでも、結構、やっていけそうな気もするけど。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 聴かずに死ねるか

2016年08月08日

聴かずに死ねるか(25)The Four Freshmen - I'm Getting・・・

 男声カルテットの四声部、最上段のパートをメロディラインにするのがオープン・ハーモニー。その元祖と言われているのがアメリカのジャズ・ボーカル・グループThe Four Freshmen(ザ・フォー・フレッシュメン)。そのサウンドは清涼感たっぷり。重厚だか軽やか。

 それまでは、四声部の上から二段目をメロディラインにするクローズ・ハーモニーが幅を利かせていたのだが、まとまりがいい反面、音の広がりに難あり。なんとかならんものか・・・ということで登場してきたのがThe Four Freshmen。男声カルテット界にとって革新的なことだったらしい。

『I'm Getting Sentimental Over You(センチになったよ)』(作詞/ネッド・ワシントン、作曲/ジョージ・ベイスマン)は、元々、ドーシー・ブラザース楽団(ジミー・ドーシー/クラリネット、トミー・ドーシー/トロンボーン)のために書かれた曲(1932年)。

 ところがトミー(弟)は、音楽的なことでジミー(兄)とケンカ。ドーシー・ブラザース楽団を抜け、トミー・ドーシー楽団を結成。トミーの『I'm Getting・・・』は、1936年2月のUSチャートで、見事、8位となり、以降は楽団のテーマ曲になった。

▲The Four Freshmen『I'm Getting Sentimental Over You』。アルバム『The Freshmen Year』(1961年)に収録。やっぱりオープン・ハーモニーはええね。現在も現役だが、メンバーはオリジナルではなくフレッシュな男たちだ。

▲The Ink Spots(ジ・インク・スポッツ)『I'm Getting Sentimental Over You』(1939年)。リズム&ブルース、ロックンロールでお馴染みのグループ。

▲Frank Sinatra(フランク・シナトラ)『I'm Getting Sentimental Over You』(1961年)。Sinatraはハリー・ジェイムス楽団の歌手としてメジャー・デビューしたが、すぐにトミー・ドーシー楽団に引き抜かれた。

▲Tommy Dorsey Orchestra(トミー・ドーシー楽団)『I’m Getting Sentimental Over You』(1936年)。楽団のテーマ曲でもある。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 聴かずに死ねるか

2016年08月10日

聴かずに死ねるか(26)John&Mirjana Lewis – Goldberg…

 Modern Jazz Quartet(モダン・ジャズ・カルテット)のJohn Lewis(ジョン・ルイス/ピアノ)とMirjana Lewis(ミリヤナ・ルイス/ハープシコード)夫婦が演奏するJ.S.Bach(バッハ)の『The Goldberg Variations(ゴルトベルク変奏曲)』(BWV 988)。1741年に出版された曲だ。

 変奏曲を、さらにジャズ的即興で変奏するわけだから面白くないはずがない。ピアノとハープシコードの掛け合いに違和感はなく、息の合い方は、さすが夫婦。

 実はこの曲、ピアノの時代になると演奏されることはほとんどなくなっていたのだが、ポーランド出身のハープシコード奏者Wanda Landowska(ワンダ・ランドフスカ)が1931年(昭和6年)に初めてレコード録音すると、ハープシコードとともに、この曲も世間から見直されたというから愉快。

▲John & Mirjana Lewis『The Goldberg Variations』(1/4)。アルバム『The Chess Game Part 1』(1990年)に収録。

▲Wanda Landowska『The Goldberg Variations』。1931年、初めてハープシコードで演奏録音。楽器と楽曲の復権に貢献。

▲Jacques Loussier Trio(ジャック・ルーシェ・トリオ)『The Goldberg Variations』(Var. 1-9)。『JACQUES LOUSSIER TRIO BACH’S GOLDBERG VRIATION』(1999年)に収録。


▲今どきなら、もっとも有名なGustav Leonhardt(グスタフ・レオンハルト)『The Goldberg Variations』。1965年録音。

posted by sankiyou at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | 聴かずに死ねるか