2016年07月02日

聴かずに死ねるか(07)寿々木米若 – 佐渡情話

 寿々木米若(すずき よねわか)は新潟県出身の浪曲師。『佐渡情話』は昭和5年(米若31歳)に大ヒットした出世作。どのくらい悲恋かというと・・・

 お光は佐渡島小木の漁師の娘。海を隔てた越後柏崎の吾作と恋に落ちた。吾作は船大工、仕事で佐渡に通っていたのだ。・・・仕事が終われば吾作は来ない。来ない吾作に恋い焦がれ、来なきゃ行けばいいと考えたお光は、夜な夜な、たらい舟で柏崎通い。

 喜んだのは吾作。ただし初めのうちだけ。しだいに腰が引けてきたのは、吾作には妻子がいたから。 面倒になった吾作は、ある日、お光がたらい舟を漕いでいると思われる頃、柏崎の常夜灯を消してしまったからさあ大変。目指す灯りを失ったお光は、そのまま波にのまれ、翌朝、柏崎の浜に亡骸が打ち上げられた。・・・落ち込んだ吾作は、お光の後を追って海に身を投げた。

 今どき、「新潟港−両津港」(佐渡汽船カーフェリー)の所要時間は2時間30分。それよりさらに距離がある「小木−柏崎」だから、たらい舟ではどのくらいかかったのだろう。考え始めると、夜も眠られない。

▲寿々木米若『佐渡情話』(さわり)。曲師寿々木米奴の三味線と合いの手は逸品。アドリブであることに驚く。

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2016年07月04日

聴かずに死ねるか(08)ZAZ & Pablo Alboran - Sous Le・・・

 フランス映画『Sous le Ciel de Paris Coule la Seine』(邦題:パリの空の下セーヌは流れる)で歌われたのがシャンソン『Sous Le Ciel De Paris(パリの空の下)』。

 最初に歌ったのはLine Renaud(リーヌ・ルノー)なのに、なぜかEdith Piaf(エディット・ピアフ)が有名。笠置シヅ子を見習って「わての楽曲、唄わんといて」と言えばよかったのにね。

 というわけで「Sous Le Ciel De ParisといえばEdith Piaf」という時代が長く続いたのだが、女性シンガーZAZ(ザーズ)の登場で大きく様変わり。世間から「エディット・ピアフの再来」と言われているほど、パリを歌わせたらピカイチなのである。

▲ZAZとPablo Alboran(パブロ・アルボラン)のデュエット『Sous Le Ciel De Paris』。Pabloはスペインのイケメン歌手だ。

▲Line Renaudの『Sous Le Ciel De Paris』。ねっとりと歌うEdith Piafとくらべ、あっさりさっぱりで好感が持てる。

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2016年07月06日

聴かずに死ねるか(09)Jeanne Lamon - The Four Seasons

 バロック音楽の演奏は自由度が高い。たとえば装飾音だが、付けるか付けないかは奏者の自由。付けた場合でも、装飾の速さや回転などは、これまた奏者の自由なのだ。

 付けるとどうなるか・・・これまでノッペリしていて、しんみりしていたものが、息を吹き返したように躍動感に満ち満ちてくるから不思議。

 バイオリストJeanne Lamon(ジーン・ラモン)の場合、くどくなく、しつこくなく、それでいて小気味良さだけが残る装飾音の付け方をするので、実に心地良し。たとえれば、演歌のコブシ。

▲Vavaldi『The Four Seasons』から第4番ヘ短調「冬」ULargo。Jeanneは、古楽器を用いるカナダのオーケストラ「The Tafelmusik Baroque Orchestra(ターフェルムジーク・バロック管弦楽団)」の音楽監督兼コンサートマスターを一昨年まで務めていた。

▲Itzhak Perlman(イツァーク・パールマン)の「冬」ULargo。装飾音はごく少な目。きらびやかではなく、端正な感じ。

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2016年07月08日

聴かずに死ねるか(10)Sachal Studios - Take Five

 The Dave Brubeck Quartet(デイブ・ブルーベック・カルテット)『Take Five』は4分の5拍子の変拍子。サックスのPaul Desmond(ポール・デズモンド)が書いた曲だ。1959年発売。

 1小節の中に5個の四分音符が入っているわけだが、小むずかしく考えることはなく、4分の3拍子+4分の2拍子だと思えばいい。なんだか忙しそうなのに、タイトルが「5分休憩」というのがシャレている。

 パキスタン北部ラホールを拠点に活躍するSachal Studio(サッチャル・スタジオ)専属オーケストラが演奏する『Take Five』は、北インド古典音楽(ヒンドゥースターニー古典音楽)で味付けされた希有な逸品。

 サックス部分をシタールが担当し、バックをヴァイオリンやチェロなどのストリングスが務める。スパニッシュギターが登場するのはご愛嬌。

▲Sachal Studio Orchestra『Take Five』。ストリングセクションのオジさんたちが可愛らしい。

▲本家、Dave Brubeck Quartet『Take Five』。Dave Brubeck/piano、Paul Desmond/alto sax、Joe Morello/drums、Eugene Wright/bass。1964年、ベルギーでのライヴ映像。

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2016年07月10日

聴かずに死ねるか(11)MJQ - Plastic Dreams

MJQ(モダン・ジャズ・カルテット)の最初の解散は1974年。Milt Jackson(ミルト・ジャクソン)がメンバーから抜けたからだ。ビブラフォンなしではMJQは成り立たない。

 クラシックに傾倒し始めたJohn Lewis(ジョン・ルイス)との間に不協和音が生じたのが原因らしいが、もともとMilt Jackson QuartetteだったものがModern Jazz Quartetと名を変え、さらに主導権をJohnに握られたから面白くなかったんだろうね。

『Plastic Dreams』(1971年発売)は、それまでのMJQとは異なり、Johnがチェンバロを弾く珍しい作品。気品をたもちつつ、躍動感にあふれるポップな曲なのだが、批評家や熱烈なファンからは気に入られなかった。たぶんMiltにも。

 チェンバロは、もともと通奏低音の即興パートを担当する楽器ではあるものの、音に強弱がつけにくく、持続音も乏しいから、ビバップやスウィングには向いてないかも。

▲MJQ『Plastic Dreams』。同名アルバム『Plastic Dreams』に収録。1971年発売。ポップなジャケットは、ワルシャワ生まれのデザイナーStanislaw Zagorski(スタニスラフ・ザゴルスキ)作。

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