2016年06月20日

聴かずに死ねるか(01)Monica Zetterlund - Waltz For Debbie

 Monica Zetterlund(モニカ・ゼタールンド)はスウェーデンの女性シンガー。美空ひばりと同じ1937年(昭和12年)生まれ。

 Bill Evansと録音した『Waltz For Debbie』(1964年)は、ジャズボーカルの極致。森の中をそよぐ風のような響きが心地よい。スウェーデン語の歌詞はモニカが書いている。

 享年67歳。幼い頃、自宅の手製ブランコから落ちて脊柱側弯症になり、晩年は車椅子の生活だったらしい。

▲ビルエバンストリオ(Bill Evans/p、Eddie Gomez/b、Alex Riel/ds)とモニカ。1966年の映像。

▲ライブハウス「Village Vanguar」でのライブ録音(1961年)。DebbieはBill Evansの姪。この11日後、ベースのRocco Scott LaFaroが交通事故で他界。

▲モニカの生涯を映画化した『ストックホルムでワルツを』の予告編。さりげなく『Waltz For Debbie』が流れる。

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2016年06月22日

聴かずに死ねるか(02)Enzo Enzo - Juste Quelqu'un De Bien

 円蔵ではなくEnzo(エンゾ)。しかも苗字Enzo、名前Enzo。フランスのシャンソン歌手だ。1959年(昭和34年)生まれだから現在56歳。

 デビューは1982年(昭和57年)。日本で知られるようになったのは20年ほど前から。

 好き嫌いの別れるシャンソンだが『Juste Quelqu'un De Bien』だけは別格。日本語に直すと『ええ人だべ』。リキまず淡々と歌っているところが良し。

 元々はシンガー・ソングライターKent(ケント)の曲で、「幻想」「憂鬱」「軽蔑」などという単語が並ぶ難解な歌詞だ。

▲Enzo Enzo『Juste quelqu'un de bien』。フランスのテレビ番組「dans les années bonheur(年中、幸せだっせ)」から。

▲元歌。Kent & Suzanne Vega『Juste Quelqu„'un de Bien』。女性シンガーSuzanne Vega(スザンヌ・ヴェガ)とのデュオ。


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2016年06月24日

聴かずに死ねるか(03)Grant Green - Joshua Fit De Battle…

 Grant Green(グラント・グリーン)はセントルイス生まれのジャズ・ギタリスト。単音(シングル・ノート)で弾きまくる希有なギタリストとして名を馳せた。

 とにかく、どんな曲でもコードは弾かない。単音あるのみ。要するに、和音を奏でられないラッパ類と同じ奏法なのだ。

 使用楽器はギブソンES-330。もちろん重厚、温かみなどとは無縁のシングル・コイル。だから歯切れよし、抜けよし。さらに、アンプのbassとtrebleをオフにしてミッドレンジを最大にした独特の音色。

 同じフレーズを延々と繰り返すクセがあるものの、それがまた盛り上がりには欠かせない。

 享年43歳。1979年(昭和54年)、厳冬のニューヨーク、車の中で心臓発作により死亡。

▲Grant Green『Joshua Fit De Battle Of Jericho』。邦題『ジェリコの戦い』。ジョシュアのジェリコ攻略を歌った黒人霊歌だ。LP「Feelin' the Spirit'」に収録。

▲Delta Rhythm Boys『Joshua Fit De Battle Of Jericho』。本来は、こんな風に歌われる。

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2016年06月26日

聴かずに死ねるか(04)古今亭志ん生 - 「妾馬」「天狗裁」

 関東大震災のとき、志ん生が駆け込んだのが酒屋。建物が壊れる前に酒を運び出そうという目論見。というより、酒屋のオヤジが逃げ出しているハズだから、タダで酒が手に入ると思ったのだ。

 ・・・無類の酒好きだった志ん生だが、ついには酔っぱらって高座に上がり、そのまま寝てしまったことがある。もちろん、寄席好きに野暮な人はいないから、誰も起こさなかったらしい。

 主客逆だが、落語会で居眠りしている客を目にした噺家が高座を下りてしまったことがあった。のちに、追い出された居眠り客が裁判を起こしたが、原告は敗訴。これ、どちらも野暮。

 さて『妾馬(めかうま)』。たわいもない出世物語なのだが、腹の底から笑える。多くの噺家が演目のひとつにしているが、志ん生がピカ一。『天狗裁き』は夢に現れる天狗の噺。実に荒唐無稽。でも違和感なし。目の前に情況が浮かび上がってくる。

▲古今亭志ん生『妾馬』。今はなき「人形町末廣」での録音。客席の幼女の大笑いが愉快。

▲古今亭志ん生『天狗裁き』。これも「人形町末廣」。しょっぱなから若い娘の笑い声が重なり、雰囲気良し。

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2016年06月28日

聴かずに死ねるか(05)John Coltrane Quartet – Vilia @

 原曲はフランツ・レハール(ドイツ)のオペレッタ『メリー・ウィドウ(The Merry Widow)』で歌われる『ヴィリアの歌』。森の妖精の伝説にまつわる歌だ。

 舞台は1905年のパリ。小国の公使館で起きたひと悶着とは・・・同国の老富豪と結婚したハンナが、わずか8日後に未亡人になってしまい、傷心のうちにパリに移住。でも、パリ男と再婚されてしまうと莫大な遺産が流出してしまうことを危惧した公使は、部下の書記官と結び付けようと目論むのだが・・・。

 ソプラノサックスの『Vilia』は、まるでコルトレーンのために書かれた曲のようで清々しい。一度聴いただけでココロに浸み込むのはコルトレーンの力か、あるいはレハールの力か。

▲John Coltrane Quartet『Coltrane live at Birdland』(1964年発売)から『Vilia』。ライヴ録音盤なのだが、『Vilia』はスタジオ録音。

▲オーストラリアのソプラノ歌手June Bronhill(ジューン・ブロンヒル)が歌う『ヴィリアの歌』。1950年代後半、イギリスのテレビ番組から。

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